塗装が上がって来た。
引っ張って細く見えるようにピンストを入れている。
分割タンクのカバー
タンクと同じ黒だと締まりが無くなるので
色を調合してパーカライズドみたいな色目にしている。
質感もそれに準ずるようにしてみた。
タンクに視線が集まるようにフェンダーはシンプルなラインのみに。
フェンダーの裏でもある程度
膜厚をつけてザラザラにならない程度にクリアを塗って表と同色にしてます。
膜厚をつけてザラザラにならない程度にクリアを塗って表と同色にしてます。
リアフェンダーは合計4回クリア塗っているそうだ。
バイクの顔であるタンク。
光の加減でさまざまな色のトーンに見えるんで難しい所だ。
少し暗い場所ではこの様に見え
少し明るい場所ではこの様に見えると思う。
カメラは線が繊細に出て人の記憶色に強い FUJIFILM X-E1 を使用。
グレーは落ち着かせる為に濃い目で行った。
モノトーンで見てもいいモノを目指している。
ピンスト後のクリアは3回塗り重ねているそうだ。
ブラックの後に1回、グレーとの塗り分け後に1回、クリア塗った回数は計は5回。
クリア後は毎回熱を加えてから足付けして剥がれ難くしてるそうだ。
1度に厚塗りすればクリアを塗る回数を減らせるが
のちのちのトラブルを避ける為に手間だが、あまり厚塗りせず回数を重ねて塗っているらしい。
乾燥不良で数ヶ月後、痩せて来たりしたら目も当てられない。。
写真では艶やかに見えるがその実
艶はやや控えめにしている。
今回の車種は94年式のエボ
マフラーの色も耐熱の黒なのでそれらに合う様に半艶まで落として磨いている。
改造の方向性や仕上げ、年式によって艶の度合いは変えていく
そのバイクに似合うのが一番いい。
最終クリア後にペーパーで研ぐのは
クリアのゆず肌を鏡のようにツルっとさせる為には必要な作業。
ペーパー目が細か過ぎるとゆず肌がとれないし、
ペーパー目が荒過ぎるとコンパウンドでペーパー目を消すのが大変なので
僕の場合は1000番→1500番→2500番と番手を上げていってからコンパウンドを使って
ペーパー目を消してます。
普段ならポリッシャーを使い、ツルツルピカピカになるまで磨いてますが、
今回の場合はポリッシャーを使わず、適度な艶引き具合を出す為に手で磨いてます。
・とある。
何とも途方もない手間の掛かる作業だ。
ショーに出そうが出すまいが一切手を抜いたりしない。
今まで彼が塗ったタンクにはすべてにおいてこういう作業を繰り返し
気持ちがこめられている。
田中屋とは5年ちょいになるなぁ。
自分は塗装の実作業の事は分からないが・・
バイクに関わるそのスピリッツは教えて来た。
自分が塗装に求めるのは
「女性で言うとお化粧みたいなもの。」
・であると思っている。
造形の長所を引き出して短所を抑える。
...しかしこれが実に難しい。
完璧な外装など存在しない。
パテにしても限界がある。
それをラインの位置や塗装の明暗でいかに殺していくか
如何に良い部分を引き出して行くか・・。
永遠の課題じゃないかなぁ。
彼はいつもそれに没頭している。
塗装という分野に生きてはいるが
自我を殺してでもそのバイクをかっこよく見せる方向に集中する。
己を見せたいのはあるんだろうけど・・
それは殺しているね。
何故なら・・
そのバイクに似合う塗装をする事が
長く残って行く事になると信じて止まない。
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