福島県二本松市の人が書いた詩
「うらやましい」
私はみなさんがうらやましいです。
マスクをつけずに空気を吸えることが。
私はうらやましいです。
家族や友人や地域の人と別れずに暮らせることが。
私はうらやましいです。
普通に野菜や魚、お米が食べられ、水が蛇口から飲めることが。
山や川で遊び、グラウンドをかけ回り、
虫や犬や草や木にふれることができる。
春は山菜をいただき冬には薪(まき)で暖をとる。
落ち葉やわらでたい肥をつくり自然と共に暮らしていける
「当たり前の暮らし」がうらやましい。
私はみなさんがうらやましいです。
子どもをたった一人で見知らぬ土地に送り出さなくてもいいことが。
避難をめぐって、「そんなこど、やっこどねえ!」と言い争い、
家族がバラバラになることがないこと、
家族、友だち、ふるさとを捨てなくてもいい暮らしのあることが。
でも、うらやましがっていても詮(せん)ないことです。
私と私の家族はそんな道を進んでいくしかありません。
どうか、できるところでかまいません。福島を助けてください。
そして、原発を止める動きに立ち上がってください。
なぜなら、この日本列島に暮らす限り震災は免れません。
そして原発事故に備えてください。
家具は倒れないように。ガソリンや水、食料、合羽を用意してください。
どこに逃げたらいいかを考え、線量計を用意してください。
必ず地震は起きます。
10年後かもしれないし明日かもしれません。
誰の上にも放射能は降ってきます。
だから支え合う仲間とつながってください。
あなたとあなたにつながるすべての人を守るために、
福島の教訓を生かしてください。
(2012年1月20日記す)
0 件のコメント:
コメントを投稿