2010年2月26日金曜日

第二御楯特別攻撃隊






 第二御楯特別攻撃隊


出撃 昭和20年2月21日

東京都小笠原諸島硫黄島に侵攻した米軍に対し
硫黄島を守る小笠原兵団の奮戦に呼応する形で編成され
散華された海軍特別攻撃隊。

編成は彗星12機、天山8機、直掩零戦(護衛戦闘機)12機
帰還したのは直掩零戦9機 のみ


戦果、
空母サラトガ 大破炎上。
護衛空母ビスマルク・シー撃沈。
防潜網敷設艦、戦車揚陸艦477号、同809号が大破





出撃前、
指揮官の村上大尉は次の様な言葉を残した。


いつの日かいつの時代か俺がいなくなって
俺の知っている人も皆いなくなった時、
学校で子供が歴史の授業を受けるんだ。
そして昔戦争があって俺達のような人間が
爆弾を抱えて敵艦に突っ込んでいったことを知って、
この人たちはどんな気持ちだったのだろうかと考える。
悲しかったのだろうか嬉しかったのだろうか何かを叫んだのだろうか
それとも黙っていたのだろうかと。

そうするうちにいつかその子の想像と
俺の記憶が交錯する瞬間が来るような気がするんだ。
その時、その子と俺は何かを共有するんじゃないだろうか。
そしてその子はその子の人生を歩いて行く。

それでいい、俺の人生はそれでいいんだと思うようになったんだ。

   
    「悠久の大義か。」瑞穂は問うた。
  

そんな立派なものじゃない、もっと不確かな俺の思いと思いの話だ。
そしてまた言った。
 

花はいつか散る。しかし花が散るのは花を咲かさんが為、
花が種を作るのも、花が芽吹くのもやがて花を咲かさんが為ではないか、
だからこそ花は散る。
散ることは花が花である為に生きていくということではないだろうか。
そう思えば俺がこうして死んでいくことも俺にとっては生きるということ、
生ききるということのように思えてくるんだ。


村上大尉は瑞穂に何事かを託すように言った。
 

生きる為に死んでゆく、正に俺達は今、生きている
本当に生きているではないか。




              凱歌は高く轟けど
              今は還らぬ丈夫よ
              千尋の海に沈みつつ
              なほも皇國の護り神                


                 合掌。

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